私がこの仕事に出会ったのは東北・上越新幹線の開業に向け信号整備事業が活況を迎えており信号メーカー様に列車制御システムの設計をお手伝いに行ったことが始まりです。
当時は現在のようにCADが普及しておらず、もっぱら鉛筆と定規でトレッシングペーパーに向かって図面を書いていました。書いては消し消しては書きの繰り返しで、直し過ぎて紙が破けてしまったり、コーヒーをこぼしてシミになってしまったりと、よく失敗したことを覚えています。

でも頭に描いた回路が思い通りのレイアウトで図面に収まったとき、何とも言えない達成感に包まれたことを昨日のことのように思い出します。
どう描けば相手に伝わるのか、またどう表現すれば作る人や使う人に分かり易くなるのか。画面という無機質な空間に線の一本一本、文字の一文字一文字に魂を込めながら今日もパソコンとにらめっこをしています。